- 2006年6月29日 03:37
- 日常
非常勤。3時まで仕事をして、6時前には起床。先週もこんな感じだった。
眠りが浅かったのか、やたらと鮮明な夢を見た。パラレルワールド?失われた子供時代の夢、あるいは大人時代の生きる目的を取り戻しに行くかのような。
・・・
そこは奇妙な世界だった。現実世界と近未来SFと冒険ファンタジーがごちゃ混ぜになったような。
地面に座り込んで、謎の虫にかみつかれていた。虫とはいうものの体長は50センチくらいもあり、ちょうどオオサンショウウオのような形をしていた。そいつが、手首から先にバクリとかみついてくる。うっとうしいので腕を振り上げて地面にたたきつけるが、頭がわれても、口が裂けても、またしつこくかみついてくる。しかし言うほどにおぞましいわけではなく、ただ蚊に食われたのでたたきつぶすくらいの感覚だった。ひたすらにしつこいのが難儀であった。
道ばたで少年と話をしていた。道は未舗装の砂利敷きで、もうもうとほこりを上げていた。少年はファンタジーアニメの主人公のような風体だったが、すでに大人らしかった。科学者で、なにか複雑な人生を歩んできたらしい。道を挟んで向こう側の道路脇に、巨大ロボットが首まで埋められているのが見えた。頭だけが地面の上に飛び出している。どうやら少年はそれの主らしかった。彼が得たなにか重大なものを、その中に隠したようだった。道に面した側の反対に回ると、ロボットの内部に入り込めるようになっていた。中は地下室のようになっていた。少年が隠したなにかを探しに、中に入っていった。
記憶が定かでないが、たぶんその中で、知らない友人と話をしたのだと思う。誕生祝いのケーキかお菓子の包み紙が4つに折りたたんであった。オレが嫁さんと祝ったものかと思ったが、日付が違った。シールに7/19と書いてある。その友人が奥さんと食べたもので、なにかの思い出にとっておいたらしい。
F1カーを改造した飛行機に乗ることになった。オープンカーのような、ただし座席が馬蹄形に十数席配置されている、小型船のようにも見える。こんなものが本当に飛ぶのかとも思ったが、すでに数人が乗っていた。席を少し空けて、後ろのほうに座る。やがてそれは動きだし、長い直線の滑走路を滑り出した。滑走路は、幅広の4車線高速道路のような形で、下り坂だった。なぜか対向車線を自動車がこっちに向かって走っている。そこを、宙に浮きながら滑っていた。そもそも浮いてるんだから滑走路なんて必要ないのに。
畳敷きの部屋の中。F1飛行機にひとりで乗っている。いつの間にか座席はひとつ。F1飛行機は宙に浮いていた。なくしてしまったなにかを探しに、「向こうの世界」へ行こうとしているらしかった。F1飛行機は浮かび上がっては停滞し、船首をくるくる回して、入口を捜す。それを何回か繰り返しているうちに、いつの間にか車から振り落とされていた。ロープでぶら下ったまま、突然世界の壁に向かって飛び込んでいった車に引きずられるようにして、自分も壁へもぐり混んでいった。テレビのホワイトノイズのような、しかし粒はもっと遙かに大きい、白黒の泡の壁。苦しいが息はできるらしかった。
気づくと知らない店の中でいすに座っていた。「向こうの世界」へやってきたらしかった。喫茶店か雑貨店か、あるいはファーストフード店か、よくわからない。大きなガラス窓があり、店の中にはいくつかのテーブルと丸いすが並べられていた。その世界では、友人も知り合いも、すべてみな知らない人たちであった。ともかくその世界では、オレはその人達と生活しているらしかった。もちろんその人達はオレがが誰かということを知っていて、なんの疑問も持っていない。子供が何人か、何事か話しかけてくる。
「おかあさんは?」
オレは、近くにいた子連れの女に尋ねた。土間のようなところで水仕事をしている。彼女は苦笑いしながら、「まだ寝てるんじゃない?」と答えた。壁の時計を見ると、昼の12時だった。「そろそろ起こさなくちゃね。仕事もあるし」と彼女は言った。
ほどなく、大きなガラス窓越しに、嫁さんがタクシーかなにかから降りて、こちらへ歩いてくるのが見えた。ただその嫁さんだけは、現在の(本当の)嫁さんだった。ただし、いくらか若いようだった。20代前半くらいだろうか。子供はまだいないらしかった。さっきの「おかあさんは?」という発話と矛盾するのだが。
店に入ってきた嫁さんは、いつもの調子らしく、ただ無愛想だった。店の女主人のおばちゃんが、「日誌も読まないし、ネットにも興味ないみたいだし」と、少し困ったふうに話しているのが聞こえた。嫁さんはそのままひとこともしゃべらずに、奥の部屋に引っ込んでいった。なにか心の中に抱えてはいるのだが、それを出さないようにしている(あるいは出せないでいる)のだろうと思った。
・・・
目が覚めると、5時40分だった。体を起こし、隣に寝ている嫁さんを見やった。なぜだか妙にいとおしかった。こんな気分になったのは本当に久しぶりかもしれない。お母さんになる前、嫁さんになる前、確かに彼女は、最愛の恋人だった。
起きあがって、寝室のドアをわずかに隙間を空けた状態にして、弁当のおにぎりを作る。子供がふえぇーっと泣くのが聞こえる。寝室のドアが開いたのでそちらを見ると、子供がちょこんと座っていた。「おはよ」と声をかける。「%$○#*×△…おちゃ?」と、なんだかわからない返事。少しして目を覚ました嫁さんは、少し機嫌が悪い風だった。しかしもういらいらすることはなかった。
3重構造の世界。あちこち旅して、そして自分の世界に帰ってきたような、不思議な感覚。これが現実の世界なのだ。だけれども、なにかとても新鮮な、落ち着いた気分だった。これも一種の自己修復作用、と言えるだろうか。